ドラムのスティック、どれを買えばいいの?
(2024.4.18更新)
こちらは私が教室をやらせていただいている楽器店のスティック売り場。
楽器店ではたくさんの種類のスティックがズラッとと並んでいるし
通販サイトを見ても、似たようなスティックの写真が次々と出てきます。
「どれを買えばいいのかわからない」
そういったドラム初心者の方に向けて、この記事では、前編・後編に分けて
1人1人に合ったスティックを選びやすくなるよう、3つのポイントを話していきたいと思います。
私自身はドラム歴が30年で、これまでに50種類以上のスティックを使ってきました。
それ以外にも
ドラム教室の生徒さんたちが様々なスティックを使っている様子を見てきた範囲で
お話を進めていきます。
<ポイント1>たった1つの正解探しをやめよう
市販されている膨大な種類のスティック。
この中から自分にいちばん、最も合ったスティックを探すのをやめましょう。
ベストではなくオンリーワンでもなく
ストレスなく使えるスティックの許容範囲を知りましょう、といった方向性で話していきます。
特にドラム初心者の方の場合は
手に取ったスティックが自分に合う?合わない?は
お店での第一印象とは別に、2週間、1ヶ月とか、ある程度の期間、使ってみないとわからない部分が大きいです。
自分の手がスティックに馴染んだり、使っているうちに印象が変わってくることがよくあります。
「このスティックだから上手く叩ける」
「別のスティックだとうまく叩けない」
プロドラマーはこういったことはほとんど言いません。
よほど使いづらいスティックを渡されたなら話は別ですが
だいたいのスティックで
「ちょっとやりにくいな~」とは思うかもしれませんが、ほとんどいつもどおりの実力が発揮できる程度には叩けるものです。
僕が間近で見たり話したり
お世話になってきた数十人ぐらいのプロドラマーを知る範囲では
皆、スティックの種類にそこまで大きくは左右されない、といった印象です。
なので
膨大なスティックからベスト1を探すのではなく
「自分がストレスなく使えるスティックの許容範囲を知る」のが
時間とお金の面からも得策、といえるのではないでしょうか。
<ポイント2>ドラムスティックの直径は14.5mmが中央値
僕が若かったとき、20年以上前になりますが
その当時に市販されていたドラムスティックの寸法をすべて調べるため、
国内3メーカーと、海外メジャーどころのカタログと睨めっこしました。
それでわかったのがスティックの「直径」は市販されているなかで
一番細いのが13mm
一番太かったのがたしか16.2mm(ジルジャンのトニーウィリアムスモデルだったような記憶…)
これをもとに真ん中は14.5mmだ!と一旦、結論づけて。
近年ではスティックの種類も参入メーカーも増えているので
また違うデータになるかもしれませんが
それでも日頃スティック売り場を見渡している限りでは昔から似たようなサイズのスティックしか出ていないので
スティック直径の中央値=14.5mm は、そんなに間違った数字ではないと思います。
そういったわけで
「直径14.5mm」を一旦の基準として考え
ドラム初心者の方でスティック選びに迷われている場合は
直径14.5mmのスティックをまずは使ってみるのが私のオススメです。
これは自分の中に基準を作り
好き嫌いといった曖昧な感覚を、数字で可視化するためです。
しばらくすると手がスティックに適応してくることもあり
おそらく
大人の方であれば直径14.5mmのスティックに嫌悪感を持つ人はほとんどいないはず。
「大好き」か「まあまあ許せる」か、こういった範囲に収まるはずです。
で、この使用感を基準に
「私はもう少し細いのが良さそうだ」とか、何かヒントがあるはずなので
次は
直径の数字を見て14.5mmから少しずらしたスティックを買い換えてみる。
この方法でうまくいけば
買い替え2~3回程度、半年程度でかなり自分好みなスティック選びができるはずです。
直径14.5mmでおすすめのドラムスティック
直径14.5mmぐらいののドラムスティックは各メーカーから発売されていますが
個人的なおすすめは Pearl 110シリーズ
<寸法>
直径14.5mm×長さ398mm
110の後ろについているアルファベットは、木材の種類です。
木材もいろいろ特性がありますが
はじめはあまり気にする必要はないので(材の種類より太さ・長さを重視しています)
110シリーズならどれを買っても間違いないはずです。
ドラムスティックの選び方はかなり盛りだくさんな内容なので、この続きは後編で!
ドラム女子のスティック選びや
ちょっとマニアックなスティックと遠心力の話など。
よければ後編もご覧くださいね。
ドラムスティックの選び方 3つのポイント 後編