音楽活動の楽しみ 節目か? 普段か?
楽器を始めて音楽活動が軌道に乗ってくると、ステージで演奏する機会が増えてきます。
こういったイベントを「節目」とするならば
節目に向かって日々練習したり、集客のためのアクションを行うのは、音楽活動のオーソドックスな形といえます。
この記事で触れたいのは
節目ありきで音楽をやることが人によってはしんどい、という話です。
節目に向けての努力を楽しめる人であれば問題はないのですが
モチベーションや疲弊の度合いは個人差が大きく
頑張り方が自分に合っていないがために
好きな趣味で苦痛を味わってしまうケースが散見されるのだと考えます。
節目ドリブンと普段ドリブン
ドリブンという言葉は「~ありき」「~に基づいて」といった意味。
こんな言葉を勝手に作りました。
・節目ドリブン → 節目となるイベントに向けて努力する
・普段ドリブン → まず普段の音楽生活があり、その通過点に節目のイベントがある
ちなみに私は趣味で演奏やバンドをやっていて
仕事や子育てを優先しながらも年1~2回のライブを行っています。
ライブのために練習するといった感覚は皆無で
普段やっていることをそのままライブでもやっている、ゆるい感じです。
私自身が「普段ドリブン」なので
この記事でもやや偏ってしまうかもしれませんが、よければ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
節目ドリブンの弱点
音楽の活動に限らず、仕事や勉強でも
節目節目でわかりやすい結果を出すことが重要視されがちです。
音楽活動での節目といえば、たとえばライブとか発表会とか。
節目は輝かしい瞬間ですが「瞬間」なので持続しないのが弱点です。
節目で結果を残すために、普段を犠牲にしたり、苦痛に耐えるような頑張り方に疑問がわくことがあるかもしれません。
さらに付け加えると
節目のためにすべてを捧げて努力したとしてもそれが報われる補償はありません。
普段ドリブン
「今日、どうやって音楽を楽しもうか?」
「そんな毎日の積み重ねでいい感じにあり続けたい」
「結果的にクオリティも上がるかも?」
たとえば
「今日、どうやって音楽を楽しもうか?」ということでは
小さいことでもかまわないので好奇心の赴くままに、
そのときにいちばん心が喜ぶテーマを選んで練習、演奏してみたり
音楽と合わせて気持ち良いトランス状態を目指してみたり。
未来のことや効率はさておき、その日その日の楽しいテーマに集中する。
結果的には人それぞれの素晴らしい個性が突き抜けて、そんな日々を過ごしている通過点にライブの日を迎える。
何年かたって振り返ってみれば自ずと結果がついてきていたり
特異でおもしろいキャリアを辿っていたりする。
こんなのが「普段」を最大限に楽しみながら頑張れる、理想的な形のひとつかなと思います。
スポーツに例えると
スポーツに例えると
全国大会に出るため苦しい練習に耐える。
これが節目ドリブン。
身体の使い方や試合の戦術を研究するのが毎日楽しい。
運動の爽快感、試合でエキサイトする快感に毎日ハマってる。
これが普段ドリブン。
気づけば自ずと結果がついてきて全国大会に出ているかもしれません。
たとえ出場できなくても毎日を楽しく過ごせているので
普段の取り組みそのものが喜びになっています。
そしてスポーツを楽しむ多くの人たちは
これらどちらか一方だけのスタンスを選んでいるわけではなく、両方を持ち合わせています。
ドラム発表会は重要ではない
私のドラムレッスンの話になりますが、
スクール生の皆さんには年に一度、発表会でステージ演奏してもらっています。
ステージで張り切ってくれるのは素晴らしいこととして
しかし発表会という節目はそれほど重要ではないと私は考えています。
発表会での出来不出来よりも
残りの364日をどのように過ごしているか?音楽に楽しく取り組めているか?
といったことに注目して普段のレッスンを行っています。
しかしゼロヒャクではない
しかし反面、はっきりとわかりやすい目標を次々に立てながら
節目ドリブンで活動するのが性に合っている、という人もいます。
たとえば「毎月1回、ライブを行う」と決めてしまって、練習せざるを得ない状況に自らを追い込む、といった方法では
活動の頻度が増えるため、否が応でも鍛えられるといった面があります。
これがやり甲斐となるか?疲弊するか?人によるところですが
多くの場合は
節目ドリブン or 普段ドリブン のどちらか一方だけではなく両方を持ち合わせていて、
そのバランスに人それぞれの偏りもあるのだと考えます。
自分に合った頑張り方が選べていないと、趣味活動なのに苦しくなってしまいます。
心が喜ぶように音楽活動を楽しむには
自らの性格や体力、家族や仕事、人生のステージなど
その時その時に合わせて上手にバランス調整していくのが重要で
「今日、どうやって音楽を楽しもうか?」
「僕の心は喜んでいるか?」
といったセルフモニタリングが、自分に合った頑張り方を探るための第一手となりそうです。
この記事がお役に立てましたら幸いです。