(2024.4.19更新)
クローズドリムショットは興味を持たれにくい
クローズドリムショットは写真のように
スティックを逆さまに持ち、スネアの枠(リム)にぶつけて「コツン!」と鳴らす奏法。
クローズドリムショットは
バラード系の曲だったり、レゲエ、ボサノバなどのラテン音楽などでよく使われます。
上品で控えめな音色が特徴ですが
いかにも脇役といった地味なテクニックに興味を持つドラマーは少なくて、多くのドラマーが手薄になりがちです。
クローズドリムショットで
きれいな音を安定して鳴らし続けるのはけっこう難しく、
ついつい音が小さくなったり、音色がバラついたり。実は細心のケアが必要な奏法です。
バンドの中では目立たない音で人から指摘されることも少ないので
なんとなく「こんなものかな」といった叩き方で済ませていることが多いのが実情かもしれません。
この記事では
1曲の間、きれいなクローズドリムショットを安定して鳴らし続けられるように、叩き方のポイントを3つに絞って解説します。
クローズドリムショットの完成度が上がることで、垢ぬけたプロっぽい演奏にグレードアップできるんです。
プロがプロである所以は、華やかなスーパーテクニックよりも
「目立たないことがめちゃくちゃ上手い」という、鉄壁の守備力によって信頼が揺るぎないことだと考えています。
よければ最後までお付き合いください。
いい音を鳴らす練習はコスパ・タイパが良い
クローズドリムショットだけにかぎらず
ドラムの音色が良いと、曲そのものがグレードアップします。
音に立体感が生まれたり、品格が漂ったり、バンドメンバーの音とよく混ざるようになったり。
いい音を安定して鳴らせるスキルは、この先どのような演奏のシチュエーションにおいても非常に役立つ、一生モノのスキルです。
奥が深くてすぐに身につくわけではありませんが
いい音を鳴らす練習は「やらない理由がない」ほど、コスパ・タイパが良い練習です。
(コスパタイパでドラムをやっているわけではありませんが)
「クローズドリムショットをきれいに鳴らそう」というと
マニアックに聞こえるかもしれませんが
むしろ優先して取り組むべき、メジャーであるべき練習だと考えています。
クローズドリムショットの叩き方 3つのポイント
- 1/4を狙おう
- 掌底を固定しよう
- 音量は大きめに
クローズドリムショット【ポイント1】1/4を狙おう
クローズドリムショットでは
スティックをスネアの枠(リム)にぶつけて音を鳴らしますが
ぶつける部分によって、音色がかなり変わります。
結論としては
スティックのお尻(グリップエンド)から、1/4のポイントをぶつけてやると
まずは良い音色が出る目安となります。
下の写真ではスティックの1/2付近、長さ半分くらいのところをリム(枠)に当てています。
響きが悪くなります。
また、スティックの先(がリム(枠)にくっついてしまうと
途端にしょぼい音になってしまいます。
Youtube動画でも音色の違いを試していますが
ぜひご自身でも実際に試して、響きを違いを聞いてみてください。
動画で聞くよりもハッキリと違いがわかります。
少し補足すると「1/4ポイントをリムに当てよう」は大ざっぱな捉え方で
厳密にいうと音色の良し悪しには
使うスティック、スネア、チューニングなど、たくさんの要素が関わります。
そういった中、どんな状況でもまあまあ通用する最大公約数のような意味で、
まずは1/4ポイントをぶつけると平均点以上の音色が出るので、ここを出発点にさらに美しさを追及するのがおすすめです。
クローズドリムショット【ポイント2】掌底を固定しよう
掌底は手のひらと手首の境目あたり、手根部とも呼ばれる部分です。
クローズドリムショットではこのように、手をスネアに置いた状態になりますが
私は掌底の部分は
スネアの皮にくっつけて、離れないように固定することが多いです。
これは、毎回のスティックの軌道がブレないようにするためで
スティックの軌道が安定すると
リムへのぶつかり方も毎回同じに近くなるので、音が揃いやすいです。
クローズドリムショット【ポイント3】音量は大きめに
文章での説明に限界があるため、ぜひ動画の10分あたりからご覧ください。
要約すると
クローズドリムショットの音と、通常のスネアの音
音量差がありすぎるとマイクで拾いきれない
といったことを検証しています。
マイクが対応しきれず音割れを起こしている状況など、ぜひ動画で確認してみてください。
おまけ クローズドリムショットを大きく叩くコツ
- クローズドリムショットの音
- 通常のスネアドラムの音
音量差があり過ぎるといけないということで
クローズドリムショットを大きめに叩く必要があるのですが、そのコツを2つほど紹介します。
・面倒がらずにスティックは逆さまに持とう
スティックを逆さまに持ち替えずに
クローズドリムショットをやっちゃう場面をよく見かけますが、
客観的に聴くと、ドラマー本人が思っている以上に音が小さくなりがちです。
面倒な気持ちはちょっとわかります。
また、持ち替えが頻繁な曲ではやむを得ない場合もあります。
しかし基本的には
スティックを逆さまに持つほうが大音量できれいな音がカンタンに出ます。
演奏者の都合でなく
いい音を聴かせたい!という目的からいえば、逆さまに持ち替えてしまうほうがカンタンです。
・グリップエンドをいっぱい上げよう
大きな音で叩くためにスティックのグリップエンドを上げる高さに注目します。
写真のように10cm以下だと音量が足りなくなりがちなので、15~20cmぐらい上げたいところです。
ところが手首が曲げられる角度には限界がありますから、20cmも上げるのはちょっと難しいです。
そこで
肩を下げてやると、腕が水平になるので、手首の角度も上がりやすくなります。
これで楽ちんにスティックを上げられます。
私の場合は演奏中ずっと肩を下げていると姿勢が辛いので
2拍4拍のときだけ肩を下げる、などしています。
この記事では
クローズドリムショットの叩き方 3つのポイントを解説しました。
これらの方法は私が誰かから習ったものでなく、
私自身が独学で考えた部分が多いので、数あるうちの1つとして捉えてください。
今までクローズドリムショットに注目していなかった方は
ぜひお試しいただけると
キレイな音色で演奏全体がグレードアップできて
人から褒められたり、自分自身も気持ちよく演奏できるので、ぜひお試しください。。