ネザードラム

文章と図解でアプローチするドラムブログ

スネアドラムのチューニング

(2024.4.19更新)

先日、ドラム教室のスネアをチューニングしている一部始終をYoutubeにあげました。

この記事では動画で実際に行ったチューニング作業について解説します。

 

ドラム音がだらしない → チューニングリセットしよう

タイコのチューニングというと

ギターやベースのように絶対的な正解があるわけでなく、好みの音に近づける、という意味を指します。

 

私自身、誰かにドラムのチューニングは教えてもらったわけではなく、

自分なりにネジを回して録音して聴きまくり、

そんな検証をノートにつけてきたぐらいの独学でしかないので

あまり参考にならないかもしれませんが、よければ最後までお付き合いください。

 

ドラムはチューニングせずに放っておくと

ヘッド(タイコの皮)が伸びたりネジが緩んだりして、だらしない音になってきます。

私の場合は一度すべてのネジを完全に緩めてしまって、なるべく均等に皮を張りなおす作業をします。

 

個人的にはこれを「チューニングリセット」と呼んでいて

10分もあれば、だらしなかったタイコの音がある程度シャキっ!とリセットされます。

スネアチューニングの手順

すべてのネジを緩める

今回のチューニングは

新しい皮(ヘッド)を張り替えるわけではなく、古い皮のままチューニングをやり直します。

まず裏側から。ネジをすべてゆるゆるにします。

指の力で均等に締めていく

ネジの首下を指でつまめるようになっているので

まず最初は、指の力だけですべてのネジを締められるところまで締めます。

指の力で締められるところまで締めた後、

私のこだわり的なひと手間ですが、タイコの枠を上から手のひらでグッと押さえています。

すると、枠が沈むのでネジがもう少し回ります。

これをすべてのネジに対して行います。

チューニングキーで回していく

全てのネジを指の力で締められるところまで締めたら

ここからはチューニングキーを使ってネジを締めていきます。

 

少しずつ均等に締めたいので、私の場合は10本あるネジに番号をつけます。

対角線のネジは同じ番号にしてあります。

 

私のこだわりですが

赤1→青1

赤3→青3

赤5→青5

青2→赤2

青4→赤4、の順で締めていくことが多いです。

間違えないようにするためのマイルールです。

 

1度にネジを回す量は90°です。

まんべんなく締めながら、最終的にはすべてのネジが540°回された状態にもっていきます。

音程を微調整

10本のネジ付近を1カ所ずつ叩いてみて、音程を聞き比べます。

部品がまともなら

この時点である程度きれいに揃っていて、近い音程になっていることが多いです。

 

さらに、できるだけ同じ音程になるよう、ネジを微調整していきます。

私はこの行程がいちばん苦手で、厳密に揃えることができないのでほどほどにテキトーです。

スナッピー付近4本のネジを緩める

もうひと手間、加えます。

スナッピー付近の4本のネジを45°緩めます。

次にそれ以外の6本のネジを45°締めます。

 

緩めたネジと締めたネジ、90°差がついたことになります。

この状態が自分の好みであることが多く、スネア裏側のチューニングはこれを出発点とします。

スネア表側のチューニング

スネアドラム表側のチューニングも、ほとんど同じです。

  • すべてのネジをゆるゆるに
  • 指の力でネジを締めて
  • スネアの枠を手のひらで沈めるとまだネジが回る
  • チューニングキーで90°ずつ対角線に締めていく

裏ヘッドは540°まで締めましたが、

表ヘッドは私は均一に360°~450°締めたところで様子を見ます。

最後に各ボルト付近の音程を微調整です。

 

それで出来上がった音がこちら。

人間の耳はテキトー

この記事では極めて数値的にスネアドラムのチューニングを話しています。

「ネジを何度、回す」みたいな説明をすると

「音で判断しろ」とお叱りを受けそうではありますが

具体的に数値で説明することで、チューニングをやったことがない方にもとりあえず試していただきやすいと考えています。

 

その一方、自分なりにチューニングの検証を繰り返したなかで

人間の耳は麻痺しやすく、非常にアテにならないこともわかりました。

 

同じスネア音でも、朝聞くのと夜聞くのとでは印象が変わったりします。

何時間も音を聞き続けていると、もはやこの音はイケてるのか?イケてないのか?すらもよくわからなくなってきます。

 

「音で判断しろ」はそのとおりですが

そもそも人間の耳はこんなにも信用できないのに、判断を委ねられるのか?というとビミョーな気もするので

せめて毎回、同じチューニングからスタートできるように

出発点を数値化してみたのがこの記事です。

 

お使いのスネアによって最適な数値は変わると思いますが、

(特にDW社のボルトは溝のピッチが違うらしいので、同じトルクをかけるのにネジの回転数もまったく違うはず)

チューニングの出発点を数値で見える化するのは、

日々コンディションが変わる耳や感覚の大きな助けになるはずです。

よければお試しいただきたいと思います。