(2024.4.22更新)
とにかくドラムが早く上手になりたい、という初心者の方に向けて
この記事では曲をコピー練習する際の「7割コピー練習法」を紹介します。
7割コピー練習法が、ドラムを始めた時期に最短で上達できる練習方法だ
というのが私の持論です。
ドラム 7割コピー練習法とは?
私が勝手に命名した練習方法なので
数あるうちの練習方法の1つとして捉えていただきたいですが、似たような考え方は多くの教室でも取り入れられています。
ドラムを始めて1年、2年未満ぐらいの時期には、最短・最速で上達できる練習方法だと私は考えています。
7割コピーというからには10割コピーもあって、それは完全コピー、完コピと呼ばれます。
バンドスコアなどを見て曲の練習をするとき、
楽譜に書かれている音を、すべて完全に出来るようにするのが完コピです。
ところが完コピを目指すと、1曲1曲を仕上げるのに多くの時間がかかってしまいます。
7割コピー練習法は
70%ぐらいコピーできれば一旦OKとして次に進む、という練習方法です。
7割、というのはおおよその数字です。
もう少し厳密に説明すると
スムーズに進められる段階までは習得して、難易度が高い部分の練習には時間をかけない。
チャレンジしてみて歯が立たなそうな部分はスルーします。
ドラムには他の楽器にない特権がある
ドラムには他の楽器にない特権があります。
ギターやピアノ、その他多くの楽器では
楽譜に「ド」と書かれていたらドを弾かないといけません。
それ以外の音を弾いてしまったら基本的には間違いです。(例外もあり)
ドラムの場合は
楽譜に「ハイタム」と書かれているところで、ロータムやフロアタムを叩いても…まあ大丈夫な場合が多いです。
ドラムの楽譜の一部を変更・省略、
つまり「かんたんアレンジ」をしても、音楽を成立させられることは多いんです。
(ただし、かんたんアレンジにも許容範囲はあります)
このようなドラムの特権を利用して、楽譜に書かれているうちの
- 難しくない部分は練習をがんばる
- 難しい部分は「かんたんアレンジ」にしてしまう(もしくは省略)
これで1曲のコピー練習を一旦出来上がり、ということにします。
すると、選んだ練習曲にもよりますが「楽譜の7割ぐらい叩けるようになった」という状態に仕上がるかと思います。
7割とは大体の数字です。
曲によってはスムーズに9割以上できてしまったり、
ほとんど太刀打ちできない、2割も叩けない曲もあると思います。
・1つの難題に時間をかけ過ぎない
・難易度が高くないものをどんどんクリアしていく
・7割コピーで演奏できる曲を増やしていく
というのがドラム初期の頃にはおすすめの練習方法です。
ドラム 昨今の練習曲はたいてい難しい
昨今のアーティストは演奏技術がとても高く
ドラムを始める人はそういう人たちに憧れているケースが多いので、みんなが演奏したい曲はたいてい難しい曲です。
スピードが速いとか、リズムが複雑とか。
1曲を練習するうち、
70%か80%ぐらいの部分は【難易度 低~中】
練習すればできそうな部分です。
こういった70~80%の内容は
多くの曲で使われる汎用性の高いテクニックなので、優先的に練習するのがおすすめです。
そして残りの20~30%【難易度 中~高】
たまに出てくる、テクニカルで難しい部分です。
初心者である自分には今は太刀打ちできない、といったことも多いと思います。
練習に嫌気がさしやすい (人によっては燃える?) 部分です。
逆説的ですが、難題に精一杯ぶつかってみるのは良い経験にもなります。
ただしチャレンジする期限を決めておくのがおすすめで
「クリアするまで先に進まないぞ」と固執してしまうと心が折れやすいです。
それって、難題から逃げてるだけでしょ?
そのとおりです。
一旦、逃げます。
1つの難題に時間をかけ過ぎず、完成度70%でたくさんの曲を練習する
というのが7割コピー練習法です。
そうしているうちに
演奏できるレパートリーが増えて音楽・ドラムの地力が身についてきます。
いずれ経験と知識の断片がつながって
以前に一旦逃げた難題が、あっさりクリアできてしまうことが多々あるんです。
難題には
チャレンジできるタイミングと、チャレンジするべきでないタイミングがあります。
小学校の先生が言ってたこと
これと似たエピソードがあります。
小学校のテストのとき、先生が「わかる問題から先にやりなさい」と言っていました。
「わかる問題からやりなさい」は
「わからない問題はスルーしなさい」と同じ意味です。
たとえば、こういった2人のテスト結果。
A君のテスト結果
2問目が難題でした。
一生懸命に考えたのですが時間切れ、3問目以降は手をつけませんでした。
テスト結果は「10点」でした。
B君のテスト結果
2問目が難題でしたが、B君はこれをスルー。
3問目以降は難しくありませんでした。
テスト結果は「90点」でした。
いかがでしょうか。
とても極端な例えですが、ドラムの練習においても視点の向け方、時間の使い方によっては、こういったことが起こり得ます。
同じ時間と労力を費やしても、成果がこれだけ違ってきます。
「何に取り組まないか?」がけっこう重要で
筋トレと同じく
今の自分に適切なトレーニングと、不適切なトレーニングが存在します。
7割コピー練習法は、その選り分けです。
社会人の方も学生の方も、趣味のドラムに充てられる時間は限られています。
1つの難題で停滞するより、
練習を雑多に先へ先へ進めて、音楽のエッセンスを幅広く吸収するのが上達も早くて楽しいです。
難題は一旦スルーしても、後からリベンジできます。
少し頑張ってできることを優先しつつ、難題はうまく一時的にスルーしながら曲のレパートリーを増やしていくのが
ドラム初期の最短・最速・最効率の練習法だと考えています。
この記事がお役に立ちましたら幸いです。