(2024.4.18更新)
楽器店でも通販サイトでも似たようなスティックがずらーっと並んでいます。
「どれを買えばいいのかわからない」
そういったドラム初心者の方に向けて
この記事では、前編・後編に分けて
1人1人に合ったスティックを選びやすくなるよう、3つのポイントをお話しています。
前編は
<ポイント1>たった1つの正解探しをやめよう
<ポイント2>ドラムスティック直径の中央値は14.5mm
といった内容でした。
ご覧でない方はぜひ前編からどうぞ。
それでは後編、始めてまいります。
前編の最後のほうは
- ドラムスティック直径の中央値は14.5mm
- とりあえず直径14.5mmのスティックを買ってみよう
- それを基準にして自分好みを探していこう
- おすすめの14.5mmスティックはPearl110シリーズ
こんな感じでした。
ここで、男性より一回り手が小さいことが多い女子ドラマーのスティック選びについても触れてみたいと思います。
ドラム女子なら14.5mmは太いかも?
女性の場合は
1人1人違うとはいえ、手の大きさが男性より小さいことが多いので
Pearl110などの直径14.5mmのスティックだと太くて扱いづらく感じることもあると思います。
そういった場合は0.5mm細い、
直径14.0mm付近のスティックを使うと、しっくりくることが多いようです。
それから直径がさらに細い13mm台のスティックもあるのですが、
こちらは個人的にはオススメしません。
直径13mm台は使ってみると軽くて振り回しやすくて第一印象が良いのですがドラムの音が軽くなる傾向があります。
普段の練習では気がつきにくいですが
ライブハウスでマイクを通したり、他のドラマーの音と聞き比べたときに、
「私の音…しょぼっ…」と感じてしまうことがあるかもしれません。
スティック直径1mmの違いなんて、わかるの?
この記事では
当たり前のようにミリ単位の違いについて書いていますが、
「1mmの違いなんてわかるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
1mmの違いは、実は多くの人がはっきりと認識できます。
直径1mmというと僅かな違いのように思えますが
スティックの断面図でみると意外と大きな違いであることがわかると思います。
もっと極端な話をすると
この記事ではPearl 110シリーズを標準的スティックとして位置付けていますが
世界的にはVic Firth 5Aが標準的な位置づけとされることが多いように思います。
Pearl 110が直径14.5mm
Vic Firth 5Aが直径14.4mm
たった0.1mmの差です。
1mmではなく、0.1mm。
そしておそらく、目を閉じた状態でこれらのスティックを握り比べて、違いを言い当てるドラマーはたくさんいると思います。
私も手の感触で0.1mmの違いはわかります。
これが意外とわかるもので、コピー紙1枚の厚みがおよそ0.1mmなのですが
- コピー紙「1枚」を指でつまむ
- コピー紙「2枚」を指でつまむ
どうでしょう。
わずかではありますが、こう捉えると指の感触で0.1mmがわかる、というのも現実味があるのではないでしょうか。
ましてや「1mm」の差となるとコピー用紙10枚分の厚みなので
これは多くの人が手に持った瞬間にわかるような大きな違いとなります。
スティックの長さについて
スティック選びの際、長さについては個人的には
385~405mm → 扱いやすそう
410mm以上 → ちょっと長いかも?
こんなイメージです。
スティックの長さは
後に触れる「遠心力」とかなり関係があります。これは後ほど。
<ポイント3>スティックは振って選ぼう
記事の冒頭にも書きましたが
楽器店のスティック売り場で、どのスティックを買おうか?
いくつか手にとってみてもドラム初心者さんにとっては違いがよくわからない。
そんなことも多いですよね。
スティックは振ってみることで違いがわかりやすくなります。
スティックを振ると遠心力が発生するので
スティックごとのわずかな違いが大きな差となって感じられるんです。
この動画のように遠心力が発生して
手を離すとスティックは飛んでいっちゃうので、遠心力との引っ張り合いになります。
これでスティックごとのわずかな違いがわかりやすくなるんです。
スティックを選ぶ際には
振ってみて疲労感や感触を確認してみてくださいね。
お試し用練習パッドも活用しよう
スティックを空で振って遠心力を感じるほか、
店頭のスティック売り場には、お試しで叩ける練習パッドも置いていたりします。
こういったパッドも活用して、いろんなスティックで叩いてみるのですが
手のひらに伝わってくる皮膚感覚にも注目してみてください。
微々たる差かもしれませんが
皮膚の感覚が心地いいか?ストレスを感じないか?というのも大切です。
スティックの重心
そして
スティックは「寸法」のほかに「重心」も無視できません。
スティックの重心。
同じ50gのスティックでも先のほうが重いスティックとか、その逆とか。
重心によっても叩き心地がまったく異なるのですが、これはカタログや数字ではわからないので店頭で確かめるしかありません。
重心位置によって手首への負担が大きかったり小さかったり。
ロール系テクニックをやる際の力加減も大きく変わります。
理屈っぽい内容が多くなってしまいましたが
スティックを振ってみる目的は
スティックごとの違いがわかりやすくなる
手への負担が大きくないか?もわかりやすい
ぜひ頭の片隅に置いていただきたい選び方です。
以上、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
この記事は前編・後編で
ドラムスティックの選び方について3つのポイントを紹介してきました。
前編がまだの方はぜひご覧ください。