ネザードラム

文章と図解でアプローチするドラムブログ

発達障害と趣味のドラム

(2024.4.18更新)

発達障害と趣味のドラム

この記事では、ドラムが発達障害を持つ子供たちに与える良い影響について考えます。

 

先にお断りしておきたいのは

私は発達障害の専門家ではなく、発達障害の子を育てる親、という当事者です。

そしてドラムレッスンのなかで

これまでに何人かの発達障害をもつ子たちと、ドラムに取り組んできた経験がある、というくらいです。

 

専門家ではないので断定的なことは言えませんが

客観的事実と、私の経験からくる個人的感想をお話できればと思います。 

知識や経験が足りない部分もありますので

もしこれをご覧になっている方の中で助言がお有りになる方がいたら、是非お願いしたいという次第です。

 

1つの自信を元手に

私の息子は5歳で、自閉症スペクトラムの診断を受けています。

楽しみの1つとして少しずつドラムに触れさせていこう、という段階です。

 

教える・習う、といったコミュニケーションはまだ難しいですが

ドラムの前に座らせて音楽を流してあげると

自由にポンポンと叩き始めて、それがリズムっぽいものだったり、簡単なお手本を見せてみると真似しようとしてみたり。

 

世の中には発達障害を理由に習い事を断られたり、

申し込む以前に親の判断で「うちの子にはきっと無理だろう」と諦めてしまったり

悔しい思いをしているお子さんやお父さんお母さんは、たくさんいるのではないかと思います。 

 

私が常々思うのは

ドラムだったら発達障害があっても楽しく続けられる子は多くいるのではないか?ということです。

ドラムは楽器のなかでは比較的簡単で子供にとっても親しみやすく

8ビートだったら誰でも叩けますから、楽しめる曲はいくらでもあります。

 

学校では勉強やスポーツが苦手だけど

「クラスのみんなにはできない特別なことを僕はできるんだ」

という、ひとつの自信が元手になって

友達ができたり、クラスで一目置かれることもあるかもしれません。 

 

また、ドラムは非認知能力を伸ばすにも効果が大きいと考えられています。

非認知能力とは

  • 誠実性
  • GRIT(やりぬく力・諦めない心・粘り強さ)
  • 自己制御
  • 好奇心(新しい学びを求める力)
  • 批判的思考(クリティカルシンキング)
  • 自尊心
  • メタ認知
  • 逆境をしなやかに生き延びる力 など

勉強・知能とは別の、数値で計れない能力です。

非認知能力が身につくと

これが元手になってスキルがスキルを呼んで、人生に良い影響を与えるといわれています。

ぜひ、こちらの記事を合わせてご覧いただければ幸いです。

 

netherdrum.hatenablog.com

ドラムが難しい場合もある

ここまでの内容を読んでいただくと

発達障害をもつ子供にとって、ドラムは良いことづくめに思えるかもしれませんが

お子さんによっては、音楽やドラムに興味が薄い場合は、続けるのが難しいこともあります。

 

また、普段の生活で耳をふさぐ仕草が多く見られる、聴覚過敏が強い子にもドラムは難しいかもしれません。

ドラムは楽器のなかでもかなり音が大きいので、苦痛に感じられることもあるかと思います。

 

ただ、ドラム以外に音の小さな楽器はたくさんあるので、そちらを考えてみるのもいいかもしれませんし

過敏の度合いによっては、耳栓をつければ大音量でも大丈夫、という場合もあります。

発達障害とドラムの研究

イギリスのチチェスター大学とハートプリー大学の共同研究では

発達障害をもつ子供たちが1週間のうち1時間、ドラムを叩くと学習などに良い効果があることがわかったそうです。

www.turtlewiz.jp

ドラムが上達して楽しめることのほか、

  • 先生の指示に従う能力
  • 人とのコミュニケーション
  • 身体の操作
  • 家で宿題に取り組めるなどの自分の制御

といった能力が向上していたそうです。 

 

ドラム以外の部分、生活習慣や行動が変わる可能性もあるという研究ですが

実はこれ、すでに多くのドラム講師や親御さんが、実際に肌で感じているんじゃないかと思います。

 

また人とのコミュニケーションが難しい場合でも

先生と少しずつ打ち解けることができたり、一緒に合奏した人たちとは挨拶ができるようになったり。

 

こういった良い影響を、ドラムの先生や親御さんは昔からなんとなく感じていたと思います。 

そもそもドラムはみんなに優しい

私、個人的には発達障害があってもなくても 

ドラムは老若男女、幅広い人の生活や健康、成長に良い影響を与えると思っていて

少しでも音楽が好きな人なら

タイコを叩いただけで、よくわからないけど笑顔になっていることが多いです。

運動と同じで、気晴らしになります。

 

セラピー的な効果をもたらしてくれたり、非認知能力を伸ばしてくれたり、多くの人を幸せにしてくれたり。

 

発達障害をもつお子さんがドラムを楽しんで続けられたら

生活面にも良い影響が出ることが多く

それは行動や顔色、顔つきなど数字では表せないような変化だけど

毎日一緒に暮らすお父さんお母さんには伝わりやすい影響だと思います。

 

いかがだったでしょうか。

私はまだまだ知識も経験も足りなくて拙い内容でしたが

発達障害をもつ子供が楽しく取り組める趣味が見つかったらいいな、と思います。

 

ドラムはゼロから始めるにはハードルの低い楽器です。

8ビートだったら誰でも叩けるようになるし、8ビートで演奏できる曲はいっぱいありますから

選択肢の1つとして検討してみるのもいいんじゃないかと思います。

以上でこの記事を終わりにします。