ネザードラム

文章と図解でアプローチするドラムブログ

バンドをやらないドラマーの選択とジレンマ

(2024.04.24更新)

 

バンドをやらないドラマー

趣味でドラムを演奏しているけど、バンドはやらないでドラムを楽しむ人が増えています。

 

ドラムを始めて歴が浅く

「人と演奏するなんて、まだ難しいから」とバンド活動に至っていないケース。

または生活上の制約でバンドができない人。

1人でのドラム活動を好む人も多くいます。

 

電子ドラムとソーシャルメディアが普及した背景もあり

個人が自宅やスタジオでドラム演奏し、オンライン上に発信できるようになったことも、音楽活動の選択肢を広げました。

 

昔の風潮では、ドラマーはバンドでの演奏を目指すもの、という価値観で

「何のためにドラムをやってるの?」

「バンドを組むためじゃないの?」

など、バンドをやらないドラマーに疑問を感じる人は多かったかもしれません。

 

しかし近年では音楽スタイルや活動形態も多様化して

バンドはやらないで個人的にドラムを楽しむことが可能になっています。

バンドをやらない理由

バンドをやらない理由は人によってさまざまです。

 

・ドラムを始めたばかりで技術・自信がない

・バンドメンバーが見つからない

・時間がない、時間が合わない

・人間関係が苦手

・未成年

ドラムを始めたばかりで技術がない

「自分はドラム初心者だからバンドはまだ早い」と、バンド活動に至っていないケース。

 

ドラムは楽しいけど他人と合奏する自信がなく

「私が失敗したら全部の演奏が止まってしまう」

と、プレッシャーを感じて、バンド活動を踏みとどまっている人が多いと感じます。

 

私の見解では

8ビートと少しのフィルインが叩けるようになったら

いくらかの曲はモディフィケーションしながら叩くことができるので

初心者歓迎なバンドに参加することは可能だと考えています。

 

※ドラム演奏におけるモディフィケーションとは

楽譜の難しい部分を省略・簡略化して取り組みやすいように簡単アレンジすることを指しています。

原曲のテイストをなるべく損なわず

適正な難易度に調整することで基礎スキルが効率的に身について、自信やモチベーションにつながります。

 

 

楽しく切磋琢磨できるメンバーと

定期的なバンド演奏を始めることができれば上達も早くなるので

ドラム歴が浅いからバンドを遠慮している、

とすれば、ある意味ではちょっともったいないかもしれません。

バンドメンバーの探し方がわからない

バンドをやるうえで、メンバー探しは苦労の種です。

 

手軽な方法なら

SNSバンドメンバー募集のコミュニティをチェック。

 

もう少し確実な方法なら

知り合いで音楽・楽器をやっている人を探したり、

知り合いの知り合いを紹介してもらうのは、私の身近でも多く見られるケースです。

 

ある程度の信頼性がある方法で

うまくいくと芋づる式にたくさんの音楽仲間と繋がっていくこともあります。

時間がない 時間が合わない

生活スタイルによって趣味に費やす時間は個人差があります。

 

たとえば働く時間が長い人や、夜勤の人、

小さい子どもを育てている人、病気の家族を介護している人など。

 

個人個人の生活スタイルによって

スキマ時間はあるけれど、人とスケジュールを約束することは基本的に難しいことがあります。

また、バンド活動が月1回ならOKでも頻繁には難しい、といったこともあります。

人間関係が苦手

特にバンドを経験したことがないドラマーにとっては

知らない人とコンタクトをとって一緒に演奏するのは、けっこう勇気がいります。

もし自分に合う人が見つかったら、それはとても運が良いです。

 

やりたい音楽、活動ペース、人間どうしの相性

自分のスタンスとは合わない人と出会うこともあります。

 

人と一緒にバンド演奏するのは何物にも代えがたい喜びがあります。

その一方で

「人間関係が煩わしいからバンドはやらない」といったネガティブな面が勝ってしまうケースもありますが

今の時代であれば個人でドラムを楽しむことは可能です。

未成年 子供だから

10歳以下でも大人と同じくらいドラムを演奏できる子は多くいます。

ただし子供がバンド活動をするためには、保護者の送迎やマネジメントが必要になります。

 

子供どうしのバンドもあれば

子供が大人のバンドに参加するケースもありますが

 

同じ学校でギターをやってる子とか

親戚にバンドをやってるお兄さんがいるとか

地元でバンドに詳しいおじさんに相談する、ぐらいしか安全な方法は思い浮かびません。

良い環境や条件が重なってたまたまバンド演奏ができている子供は、非常に運が良いと思います。

バンドか?1人か? メリットデメリット

バンドか?1人か?

人それぞれの背景がありますが、そのメリット / デメリットをみていきます。

 

これらは表裏一体です。

実際にはバンド活動と1人活動を組み合わせているドラマーも多く

今の時代に活躍しているドラマーが、何を考えどういった戦略で活動しているのか?

そんな観点でみてみるのもおもしろいです。

バンドをやらない、1人ドラマーのメリット

「自分のペースで活動できる」

これに集約されます。

 

バンドメンバーとのスケジュール調整がなく、生活のスキマ時間を使って活動を進めることができます。

 

練習曲を選ぶときには

バンドメンバーで相談して選ぶと、必ずしも自分の好みではない曲を練習しなければならない場合があります。

1人での活動であれば、自分の好みで曲選びができます。

 

さらには他人に理解されないような、ぶっ飛んだ独自のスタイルやアイデアを追及しやすいのも1人での活動が向いている側面があります。

バンドをやらない、1人ドラマーのデメリット

1人ドラマーのデメリットは

バンド活動の喜びを得られないことですが、それにはどういったものがあるでしょうか。

 

バンドでは他のメンバーと共同で音楽を作っていくので、自分にはない発想や視点を得ることができます。

 

他のメンバーの演奏を聴いて

それは無意識の下でも自分のドラム演奏に影響しているので

化学反応のようなことが起こったり

それが偶然だったり、一期一会の刹那的な演奏だったり。

こういった経験が自身のドラム演奏を成長させたり、充実感、やりがいをもたらしてくれると考えています。

 

またオンラインではなく、人が集まる場所でライブ演奏をすることは特別な体験です。

生のバンド演奏は独特なエネルギーを生み出して、

観客が一体となって歌ったり踊ったりすることもあり、人とのつながりを強く感じることができます。

 

一部のコンサートでは

熱狂的な観客の興奮が高まって倒れたり、救急車で運ばれるケースまでありますが

こんな風に

体がどうにかなってしまう。救急車で運ばれる。

ここまでのエネルギーをもつエンタメは音楽だけかもしれません。

ステージに立ってそんな出来事を起こす側にいることは、非常に特別なイベントです。

 

バンドをやらない、1人ドラマーのデメリットは

以上のようなバンド活動を通じた体験ができないことです。

ドラム演奏動画の配信について

バンドをやらない、1人ドラマーが自分の演奏を誰かに聴いてほしい場合、

Youtubeなどの動画サイトやSNS等で発信していくのはポピュラーな方法です。

 

・自分の演奏を多くの人に見てもらうことができる

・同じ趣味や興味をもつ人と交流できる

・フィードバックや応援、励ましを受けられる

 

こういったメリットがある一方、以下ののような注意点もあげられます。

 

演奏動画の配信 注意点

・批判やネガティブなコメントを受ける可能性がある

動画の公開範囲を設定したりコメントの制限機能で対応は可能

ただし多くの人との交流も深まりにくくなる

 

・プライバシーの一部を公開することになる

動画に映りこむ個人情報に注意したり、動画編集アプリ等で顔を見えなくすることで対応は可能

 

演奏動画を発信していくことは、得もあるし損もあるので

それらを引き受けられるかどうか?

個人のスタイルに合わせて考えてみるといいかもしれません。

無人島に住んでもドラムを演奏しますか?

この記事の最後に

バンドをやらない、発信もやらない、純粋に1人でドラムを楽しむことについて考えてみます。

 

スマホもネットもない無人島に住むことになっても、ドラムを演奏しますか?」

 

この質問は自分の音楽観をみつめるヒントだと考えています。

 

純粋に1人でドラムを楽しんでいる人は

自分の上達や進歩を楽しんでいるのかもしれません。

または

好きな曲に自分のドラム音を混ぜ合わせて、音楽のお風呂に浸かっているのかもしれません。

 

私、個人的には音楽を演奏するためにドラムを叩くのではなく

マッサージやアロマオイルのように

自分を癒やすためにドラムを叩く、ということを試しているところです。

 

ドラムを通じて集中・没頭することで

過去の出来事や未来の不安から離れて、いま現在に意識を向けるマインドフルネスという心理状態を目指しています。

 

大人になると、いま現在に意識が向いていないことが往々にしてあります。

心が過去に取り残されていたり

未来の心配ごとに押しつぶされそうだったり

多くの大人は「いま現在の濃度が薄い」といえるかもしれません。

 

マインドフルネスになることで

現在に集中・没頭してストレス軽減や癒やし効果があり、

浮かんでくる考えを評価せずにただ眺めて、心が静まって柔軟になります。

 

私の場合は、マインドフルネスな状態になるためにドラムが使えないか?と試しているところです。

netherdrum.hatenablog.com

まとめ

バンドには参加しないで個人的にドラムを楽しむ人が増えています。

電子ドラムやソーシャルメディアの普及で、ドラムの楽しみ方の選択肢が広がったともいえます。

 

バンドをやらない理由としては

・ドラム初心者で自信がない

・メンバーが見つからない

・時間が合わせられない

・人間関係が苦手

・子供だから

個人の問題のほか、時代や社会背景とも深く関わっていると感じます。

 

将来的には

バンドをやりたい人向けには

より便利で信頼できるマッチングとか

バンド活動の初期に世話をしてくれるコーディネーター的なサービスがあればいいな、と思います。

 

ドラムや音楽の楽しみ方は、個人の好みやライフスタイルによって選ぶのが大切だと考えています。

ドラムを演奏するのにバンドがすべてではなく、

自分の趣味を他人の価値観に縛られることもありません。

 

ただ、バンドをやってもやらなくても、両方を組み合わせても

自身のモチベーションや、人生のステージは変わっていくので

選択肢をいつでも柔軟に選びなおせるマインドセットでいることが重要だと考えています。

 

この記事がお役に立ちましたら幸いです。